「セルフブランディングからコーポレートブランディングへ」…坂井二朗さんをお招きして-廣器会#011

<第11回「廣器会」講演会レポート>

開催日時 2025年2月13日(木)18:30~20:00(懇親会 20:00~22:00)

開催場所 (株)コーチビジネス研究所 飯田橋セミナールーム + オンライン

(株)コーチビジネス研究所取締役の中村智昭さんが主催者となってスタートした「廣器会」は、もうすぐ1年を迎えます。毎月第二木曜日の開催(18時半~)なので、この度、坂井二朗さんをお招きしての講演会は、11回目となりました。
講演会の冒頭、「ニックネーム」で呼び合う、友人でもある中村さんが……

 今日は「セルフブランディング」がテーマですが、皆さんは社長さんとか、個人事業主の方も多いですから、「コーポレートブランディング」という視点でもお話しいただきます。彼の講演は、一人5000円から10000円いただくのが通常なのですが…

 いやいや、そんな……(苦笑)

 ご厚意に甘えていますので、みなさん盛大な拍手をお願いします!

と、坂井さんを紹介します。
これまでの講演は、すべてライブにもかかわらず、講師の皆さまのご厚意もあって、講演料なしで開催させていただいています。感謝に堪えません。しかも、Zoomのスライド資料も送付いただいています。ということで、今回も当該資料を要所で添付し、実況中継風にレポートさせていただきます。

坂井さんはFBに、登壇の予告メッセージをアップされていました。その画像がこちらです。

めちゃくちゃカッコいい!

メッセージの内容は……

カッコよすぎます!
思わず引いてしまいますね(笑)

ところが、お話しされる坂井さんは、とってもフレンドリーでした。かつ、誠実なお人柄が伝わってきます。私たちは、坂井さんの世界に、さっそく惹き込まれます。「引く」のではなく「惹く」です(笑)。
富士通という堅い会社に入社され、サラリーマン生活を長く経験されています。そのあたりのご苦労も現在の素敵な坂井さんにつながっているのかもしれない…などと、勝手に想像しています。

前置きが長くなってしまいました。さて、講演スタートです。

AGENDAは…

  1. 自己紹介 & 社長に服育が必要な理由
  2. 男の装いの基本 ドレススーツ
  3. ビジネスカジュアル & カジュアル
  4. おじさん事例集
  5. 冬の時期を快適に過ごす装いのヒント

 私は富士通なんですけど、32年半、去年の10月末まで在籍していました。バブルの終わり頃に入りまして、本当にこう…コネとかが左右する時代だったんです。するっ、と入ってしまったんですけど(笑)、うん、エンジニアリングとかテクノロジーとか、まったく興味なかったんです。ただ、ラッキーなことにですね、アパレル業界、ファッション業界を担当する営業を長くやらせてもらいました。22年間の営業経験のうち18年はファッション業界、それから同じような流通業で、総合商社とか外食のお客様とかを担当したのちに、社内でキャリアチェンジをしています。その理由と言うのが、パラレルキャリア…40代の直前にイメージコンサルタントという世界に出遭ったことが大きかった。「こんな仕事が世の中にあったんだ」、と衝撃を受けたんです。

和やかな雰囲気が醸成されます。こうして、現在につながるヒストリーを坂井さんは話されました。
それまで、富士通でサラリーマンをしながら「これって本当に俺の生きる道なのか…」という、モヤモヤ感を抱き続けていた坂井さんでした。富士通を退職されたのは、ほんの少し前です。会社生活の半分は、パラレルキャリアを並行してやられていたようで、結果的に独立するための準備を入念にされていた、ということですね。

 人材育成をやっていると、服だとか印象だとかのこともギャーギャー騒いでもいいんじゃないか、と感じたんです。ということで、営業マンを中心に、人材育成を9年ほどやりました。で、最後は私と同じようなオジサンのキャリアを、キャリアコンサルティングとイメージコンサルティングを合わせて支援できればいいなあ、ということで、こっちに力点を置いています。
毎日、オジサンたちのモヤモヤを聴いていたそんなタイミングで、巡り合わせもあって、退職したという流れなんです。

坂井さんもモヤモヤをずっと抱え、自問自答していましたから、聴いてくれる坂井さんの言葉にオジサン方はさまざまな「気づき」を得ただろうことが想像されます。坂井さんはとてもコーチャブルです。イケオジで、しかも傾聴のプロである坂井さんですから、私たちが惹きこまれるのも「合点至極」です。

独立されてから現在に至る短い期間、坂井さんはエネルギッシュに動かれています。そうして今、廣器会のこの場に立たれているということですね。

坂井さんは「服育」を提唱されています

その「服育」とは?

いよいよ本題の
「イメージコンサルティング」です

ここからは、スライド中心に紹介させていただきます。

イメージコンサルティングの必要性が、どんどん腹に落ちてきます。会社でも家庭でも、そして仲間内でも、イメージコンサルタントのアドバイスによって、自分がどんどん変わっていける…そんなことが、まさにイメージされます。
そして坂井さんの「パーパス」は・・・

明るく元気な高齢化社会の実現に貢献する!

スライド資料はビジュアル満載です。そこに坂井さんの解説が挟まれます。「なんとなく…」と、捉えている私たちの「感覚」に「ロジック」が加わります。「“腹落ちできる”とは、まさにこのことだなあ」、と一同納得の表情です。

「人は見た目が9割」という言葉が広がっています。「まあ、そうだけど…」と、一旦受け止めた上で、「ただ、やっぱり中身が大切なわけで、外面に汲汲するのも、いかがなものか…」と、「見た目」にエネルギーを費やすことを、どこか回避している(バカにしてる?)ようにも感じます。そのような「頑迷なオジサンの感覚」を、坂井さんは上手に溶かしてくれました。
坂井さんが用意されたスライド資料を、セレクトして皆さまにお届けしようと思います。

Well-Being ➡ コーポレートブランディング!

さて、「廣器会」の5回講演では、「J Linklusion合同会社」の中島崇CEOをお招きし、「Well-being経営」について、お話をいただきました。

坂井さんも「Well-being」について触れています。中島さんのお話と、坂井さんの「イメージコンサルティングによるセルフブランディング」、さらに「コーポレートブランディング」がリンクします。見事につながりました!

トップの「格好・振る舞い」が鍵を握る!

そして、ダンディズム溢れる「装いの姿」と「言葉」が登場しました。ファッションにも造詣の深い経営者のスライドです。

ファミリーマート顧問沢田 貴司 氏。堀場製作所会長兼CEO堀場 厚 氏。元アサヒグループHD 会長兼CEO泉谷 直木 氏。そして、「世の中すべてはファッションや!」の伊藤忠商事会長CEO岡藤 正広氏。「シブくて素敵!」な4氏です。

ミッション・パッション・ファッション!

泉谷 直木 氏の言葉、「ミッション・パッション・ファッション」に引き付けられました。坂井さんも「わが意を得たり!」と、思いを込めて私たちに紹介します。
ところで「第6回廣器会」は、元アサヒビール常務で、日本エグゼクティブコーチ協会会長の要職にある伊藤義訓さんの講演でした。テーマは「リベラルアーツを経営に役立てる」です。伊藤さんは廣器会メンバーです。廣器会はどんどん廣がっています!

さて、ここまでは「総論」です。「各論」に移ります。もっとも坂井さんの語りは広角であり、全方位です。「ドレススーツ」「ビジネスカジュアル」「カジュアル」の3分野、つまりすべてのTPOについて、具体的な指南をいただきました。

まずは「ドレススーツの基本的な着こなし」です

ふんだんなスライド資料(ビジュアル)を使って、坂井さんは私たちに「なるほど…」の納得を届けてくれます。ここはタイトルのみの紹介とさせていただきます。

  • 「ドレススーツの基本的な着こなし~スーツは何と言ってもサイズが命」
  • 「ドレススーツの基本的な着こなし~シャツは奇をてらわず」
  • 「ドレススーツの基本的な着こなし~アイテム選びのルール」
  • 「ドレススーツの基本的な着こなし~Vゾーンのコーディネイト例」
  • 「ドレススーツの基本的な着こなし~ドレスシューズの合わせ方

この「基本的な着こなし」をマスターしたイタリア人っぽいモデル(?)の姿が、ここでスライドに現れます。
「超カッコいい! でも、モデルだからでしょ。坂井さんのようにイケオジだったら、こんな風になるのはわかるけど…」との声が聞こえてきそうですね。坂井さんは、私たちの「心の声」をちゃんと読んでいます(笑)。「普通のオジサンも変身できる!」ことを坂井さんは証明します。

「オジサン・ビフォー&アフター」です

ホッ、としました(笑)。


続いて「ビジネスカジュアル」です。オジサンにとって、難易度は上がります。スーツはシルエットや着丈など、セオリーに沿うことでわかりやすく変化しますが、さてどうなるのでしょうか……

ここからのスライド資料は、怒涛の「オジサン・ビフォー&アフター」です。選りすぐりをセレクトしてお届けします。

まずは「片付けパパ」の大村さんです。先月の廣器会で講演いただきました。
「大村さんから私は紹介を受けて、こうしたコミュニティーに参加させてもらっています。写真のスーツは大村さん自身が買い求めたものです。ツッコミのポイントはいくつかあります……」と、坂井さんはプロとして、しっかりと指摘されました(笑)。

さてアフターは……

会場から「おーっ…」と、声が上がります。

 これはですね、大村さんと1日銀座を二人で歩いて、買ったものなんですけど、特別なものではないんです。左側の写真は上下セットのスーツです。右側は、1本買ったグレーのスラックスに替えています。
いわゆるウールのスーツではないので、すごく使いやすいし、丸洗いも出来ます。自然な感じで着回しができるんですね。右の写真のようにカジュアル感が伝わってきます。こういう機能性のあるセットアップが出てきているので、上手に使っていただくといいですね。
それから、大村さんは「人と人の触媒になる」と言っています。じゃあ、ミツバチのピンバッチを付けましょう、というのが中央下の写真です。
ピンバッチとかチーフとかを付けていると、人前に出た時に必ず訊かれたりしますから、コミュニケーションがそこで生まれます。自分のストーリーを語ることもできますよね。爽やかな片付けパパの出来上がりです。

続いて坂井さんは「ではもう一人、富士通のオヤジなんですけど…」と、「ビフォー&アフターを紹介します。

アフターは…

これまた「お~」と、驚きの声が会場に轟きます。

 さっきパーカーの質問が出ましたが、ここで紹介します。これは全身GUですから上下で7000円くらいですね。周りの女性がこれを見て、みんな白パーカーを買いました。

みんな大笑い。

 このくらいでいいんです。全然無理することないんです。シューズはコンバースのオールスター。5000円くらいで買えるものです。

オジサン・ビフォー&アフターはさらに続きます。

ビフォー…

アフターは激変! 変わる変わる……

「ビフォー&アフター」は同じ日に撮影されています

坂井さんは「髭の威力」を語ります。

 人は良さそうだけれども、何となく「優しいだけのおとうさん」という感じですよね。その人に「髭を生やしてきてください」と、お願いしました。いかがでしょうか?
貫禄があってバランスもとれている。「髪の毛が少なくなってくると髭を蓄える」というのが方程式です。ちなみに左のビフォー写真は、アフターを撮って、その後で髭をそって、着てきた服に着替えてもらって撮っています。その日に二枚とも撮っているんです。

なんだか剃るのはもったいないカンジ…

坂井さんも登場!

 廣器会の皆さまは、経営者ですから、器の広さとか深さとか、どんどん大きくしていこうということだと思います。イメージコンサルティングによって、それが「見て伝わり」ます。この写真のように、私もジャケット着ているかどうかで全然違ってくるんですね。クールビズというのは悪くはないんですが、人前に出る時は、何でもいいからジャケットを羽織った方がいいですね。「立派に見える」というのが、ジャケットの力です。

アジェンダの最後は、「5.冬の時期を快適に過ごす装いのヒント」です。外国のイケオジの皆さんをしっかり堪能しました。それにしてもカッコいい!

坂井さんは、「悩んでいたときに偶然この本を見つけました。背中を押してくれたんです」と、次の本を紹介してくれました。

https://amzn.asia/d/gyXa77m

深い言葉が綴られていますね。

最後は坂井さんからのメッセージです。「伴走が必要であれば」ということで、坂井さんが用意された資料を紹介させていただきます。

これにて、坂井さんの講演は終了です。「オジサン世代」がまあまあ多い(笑)廣器会メンバーですから、これまで「身なりに気をつかうのはめんどくさい…」と、あきらめ気味の私たちでしたが(失礼、私のことです)、「ひょっとして変わることができるかも…」と、坂井さんのお話で、ほのかな期待が湧いてきました。

レポーター
坂本

坂井さん、ありがとうございました!

坂本樹志

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次回廣器会は・・・

信頼を築く経営者の流儀
「茶道思考」で考える、調和と品格のコミュニケーション
小山匡子 氏 -廣器会#15

プロフィール

小山匡子(こやままさこ)
株式会社スモールウィン 代表取締役
茶道裏千家教授 
博士(工学)、技術士(化学部門)

横浜出身 茶道の精神をビジネスに応用する「茶道思考」を提唱。
8歳のころから茶道を稽古。大手企業にて仕事をスタート。
会社では、女性管理職にも抜擢され仕事に邁進していたが、上司と部下との板挟みから辛い日々も。
そんな時、改めて茶道の魅力、落ち着く時間が重要と実感。
茶道の精神を表す「一期一会」「一座建立」の意味を、仕事の中でも同じように理解を深めるようになった。

茶道の感謝する心は、仕事にも好影響を与えた。さらに人間関係が良好になると成果も出る。
茶道の考え方をビジネスの課題解決につなげる「茶道思考」講座を開始。社会をこころ豊かにしていきたい。

ビジネスパーソンとしての経歴:
1988年4月、東京理科大学工学部卒業後、味の素株式会社に入社し化粧品原料の研究開発などを担当。
アミノ酸技術室、バイオ工業化センター素材製品開発部品質技術グループ長などを経て、健康基盤研究所に異動。

2010年に退職し、医科大学発ベンチャー企業に転職。その後13年に太陽化学株式会社に転職する。
21年に同社を退職しスモールウィンを設立。
東京バイオテクノロジー専門学校化粧品コース非常勤講師、日本化粧品技術者会東日本支部常議員、
日本化学会コロイドおよび界面化学部会役員などを務める。

■内容

茶道とは。主に女性が礼儀作法を学ぶ趣味と思っていたら大間違い。戦国武将たちが頭角を現し、名を馳せるのに使っていたツールです。大名や将軍と対することから失礼がないよう振舞うことも大事ですが、加えて相手を知り向き合う姿勢も問われました。それを円滑に回すためのひとつのツールが茶道だったのです。 現代でも、信頼されるビジネスパーソンになるには、スキルや実績だけでなく、相手に寄り添う姿勢や振る舞いが不可欠なことはご承知の通りです。 今回は「茶道思考」の中から、信頼を築き、円滑な人間関係を生み出すためのヒントを具体的に茶道の精神を通じてお伝えします。 茶道と禅の関係は? 「もてなし」とは何? 茶道の先にあるものは?なあどの概念のお話から、茶碗はどう回すの?「結構なお点前で」って言うの?の質問にもお答えします。 茶道とは何かを紐解き、日本人の心を思い起こします。

■開催日時
2025年6月12日(木)18:30-20:00

■開催方法
リアル会場開催&オンライン同時開催

■会場
株式会社コーチビジネス研究所
東京都千代田区富士見1-3-11 富士見デュープレックスビズ702号室

お申し込み・詳細はこちらから

第15回学びの会合 (経営者のための廣器会)

https://peatix.com/event/4422998

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レポーター紹介

坂本 樹志

株式会社コーチビジネス研究所 顧問 CBL認定コーチ 中小企業診断士
広島県出身。大学卒業後、大手化粧品会社に入社。財務、商品企画開発、販売会社代表取締役、新規事業開発、中国上海・北京駐在、独資2社設立し総経理等を歴任。その後CBL認定コーチとなり、エグゼクティブコーチとして活動開始。『カウンセリング&コーチング クイックマスター(同友館)』『格闘するコーチング(かんき出版)』など著書・執筆多数

WEB構成

水野 昌彦

アイデアルブランズLLC 代表 ブランド・デザイナー 中小企業アドバイザー
美大卒業後プリンター・電子機器メーカー、独立デザイン事務所を経て自動車メーカーデザイン部でカーデザインに従事、エンブレムデザイン全般担当を契機としてブランディングに深く関与。ブランド体系構築をリーディング。2021年独立・法人化、代表に就任。「かんがえ方のデザイン」を提唱し中小企業のブランド・デザイン振興を支援している。

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