── 別府義崇さんをお招きして ──
<第27回廣器会レポート>
開催日時 2026年6月12日(木) 18:30~20:00(懇親会 20:00~22:00)
開催場所 (株)コーチビジネス研究所 飯田橋セミナールーム + オンライン
第27回の廣器会は、株式会社66(シックスティー・シックス)代表取締役 別府義崇(べっぷ・よしたか)氏 を講師にお迎えしました。講演タイトルは、 「あなたの会社に、“イズム”はありますか?」 ── AI時代だからこそ、“人”で勝ちたい経営者へ ──
1時間半の講演は“熱かった!” でも、別府さんは決して“暑苦しくない” それは、自分の生きざまと共鳴した、借り物ではない「自分の身体の底」から湧きあがってくる「信念の言葉」として、私たちに届けられているからだと感じ入っています。
最初にプロフィールを紹介させていただきます。
別府 義崇 (ベップ・ヨシタカ)
株式会社66(シックスティー・シックス)代表取締役。2008年、テレビ朝日に入社後 バラエティ番組「ロンドンハーツ」「アメトーーク!」等を担当。2015年、「McKinsey&Company」へ転職、 マネージャーとして国内外の企業との プロジェクトを主導する傍ら、社内の人材育成、クライアント企業へのビジネス研修にも注力。2020年、株式会社66(シックスティー・シックス)を設立。大手からスタートアップまで、これまで40社を超える様々な企業・経営者と人材育成分野で協業。また「Tシャツを通じて人と繋がる」を掲げ、 東京・代官山にて白黒の最高級無地TシャツブランドRUE HARKHA(ルイ・ハルカ)を展開。
テレビ業界で月300時間の残業を経験し、 「テレビ業界はそういう世界だ」と笑って語るタフさ。 超ハードワークで有名な、世界的コンサルであるマッキンゼーでも、「ハードとは感じなかった」と言い切る胆力に圧倒されます(懇親会での会話です)。 そして、Tシャツブランドを立ち上げる柔軟さと行動力。まさに、“熱さの塊”のような人物 ですね。

■ 「イズム」とは何か
講演タイトルにある「イズム」という言葉…私は最初、この言葉に少し違和感を覚えました。「イズム」と聞くと、どうしても “主義” “硬い理念” といった印象がつきまといます。コーチングが大切にする「レジリエンス」とは、 どこか相容れないようにも感じたのですね。
しかし、別府さんの語る「イズム」は、 そうした“硬い理念”とはまったく異なるものでした。別府さんが言う「イズム」とは、会社の構成員全体に染みわたり、 会社を離れた日常の会話の中でも自然に口にされる(出てくる)、 その会社固有の“平たい言葉”。リクルートの名言、 「お前は何がしたいの?」 これこそが、典型的な“イズム”だと別府さんは語ります。
「単なるスローガンではない。 社員の行動を方向づけ、意思決定の基準となり、 会社の文化そのものを形づくる“芯”のような存在!」 であると。

■ 「イズム」はリーダーの“しつこさ”から生まれる
別府さんは、こう断言します。「イズムは、リーダーが毎日しつこく伝え続けることでしか育たない」。
多くの会社が唱える「ミッション」や「パーパス」は、壁に掲げられることが多いですが、それだけでは浸透しない。日々の会話、会議、1on1、雑談── あらゆる場面で、リーダーが“しつこく”語り続ける。 その積み重ねが、やがて組織の文化となり、 他社には真似できない強みになる。AI時代において 「人を抱える意義」 が問われる今こそ、 イズムの存在が企業の生命線になる。
別府さんの言葉は、 私たちに強い問いを投げかけます。

■ 「イズム」がないと人は一歯車
別府さんは、こうも語ります。
イズムがない組織では、人は一歯車にしかならない! 逆に、イズムで結ばれた組織は、 AIでは代替できない“人の強さ”を発揮する。
バックオフィスなど、 「イズムに当てはまらない部署はどうするのか?」 という問いに対しても、別府さんは明快でした。「イズムで括れない仕事は、アウトソースすればいい!」



■ 「人材育成」をめぐる誤解
講演の中盤、別府さんは「企業にとっての人材育成とは何か? 」と投げかけます。 参加者一人ひとりの言葉を、別府さんはしっかり受けとめます。そして、力強く語ってくれました。「多くの企業は“人材育成”の主語が社員になりすぎている」、と。
社員の満足のための研修、 社員のための海外研修、 社員のためのビジネススクール派遣──もちろん、それ自体は悪いことではない、と一応肯定した上で……
「企業が人を抱えるのは、企業の成長のためです。 社員の自己満足で終わる育成は、育成ではありません」。
この言葉は重い。私たち参加者は、さまざま考えを巡らせたでしょう。
「人と会社は一体」といいながら、現場のリアルと乖離した“その場限りの研修”となっていないか? 社員の自己満足と人事部(?)の共依存が生み出す“あるあるの研修”が、日本の定番の研修と化しているのかもしれない……

■ 「研修すれば育つ」という幻想
別府さんは、さらに踏み込みます。「研修は“練習”です。 人が育つのは“本番”でしかありません」、と。
サッカー経験者である別府さんは、 PKの話を例に挙げます。
「練習でいくらPKを決めても、 本番のプレッシャーの中ではまったく別物になる。企業における育成も同じです。日々の業務こそが“本番”であり、育成の主戦場 ですから」。
別府さんの言葉は、 私たちが見落としがちな“当たり前”を、 改めて突きつけてくれました。
■ 「イズム」が企業の“芯”になる

講演は、いよいよ核心へと進みます。
別府さんは、 リクルートの「お前は何がしたいの?」を例に挙げながら、 イズムの4つの要件を示しました。
① 無条件に“信仰”できる
イズムは、社員が「これは正しい」と迷わず信じられる言葉であること。 借り物の理念では、決してその境地には至らない。
② 行動を引き起こす
イズムは、行動の基準となり、意思決定を方向づける。 ただの標語ではなく、“動詞”として機能する言葉であること。
③ はじまりはリーダーの強烈な想い
イズムは、会議で多数決で決めるものではない。 リーダーの“生き方”から生まれる。
④ やがてリーダーを超える理念になる
イズムは、時間をかけて組織に浸透し、 やがてリーダーの手を離れ、 組織の文化として自走し始める。
このプロセスこそが、 イズムの本質であり、 企業の強さの源泉となるのです。
■ 「イズム」浸透のプロセス──「近道はない」

別府さんは、イズム浸透のプロセスを 「イズムプロジェクト」として体系化しています。しかし、その本質は驚くほどシンプルです。
「近道はない。 リーダーが、毎日しつこく伝え続けるしかない」
AI時代において、 “効率化”や“自動化”が叫ばれる中、 この言葉は逆説的でありながら、 深い真理を突いていることが伝わってきました。
「“文化”は、効率化できない、自動化できない、ショートカットできない。だからこそ、イズムは強いのです」と、別府さんは訴えます。
■ 別府さんの“熱”の源泉
テレビ朝日での月300時間残業。 マッキンゼーでの超ハードワーク。 そして、Tシャツブランドの立ち上げ。そのすべてが、 別府さんの“熱”を形づくってきたのだと感じます。特に印象的だったのは、 別府さんが語った“縁”の話でした。
「仕事も人生も、人とのご縁がすべて」 「Tシャツブランドの立ち上げも、 デザイナーとの出会いも、 すべてが“縁”の連鎖でつながっているんです」
当該レポートの冒頭で……1時間半の講演は“熱かった!” でも、別府さんは決して“暑苦しくない” それは、自分の生きざまと共鳴した、借り物ではない「自分の身体の底」から湧きあがってくる「信念の言葉」として、私たちに届けられているからだと感じ入っています。……と記しています。そして、今回の講演全体を貫く「言葉」を私は考えてみました。導き出したのは……
別府さんの醸し出す“熱き人間味”に包まれた「感動の講演!」

別府義崇さん、ありがとうございました!




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レポーター紹介
坂本 樹志
株式会社コーチビジネス研究所 顧問 CBL認定コーチ 中小企業診断士
広島県出身。大学卒業後、大手化粧品会社に入社。財務、商品企画開発、販売会社代表取締役、新規事業開発、中国上海・北京駐在、独資2社設立し総経理等を歴任。その後CBL認定コーチとなり、エグゼクティブコーチとして活動開始。『カウンセリング&コーチング クイックマスター(同友館)』『格闘するコーチング(かんき出版)』など著書・執筆多数
WEB構成
水野 昌彦
アイデアルブランズLLC 代表 ブランド・デザイナー 中小企業アドバイザー
美大卒業後プリンター・電子機器メーカー、独立デザイン事務所を経て自動車メーカーデザイン部でカーデザインに従事、エンブレムデザイン全般担当を契機としてブランディングに深く関与。ブランド体系構築をリーディング。2021年独立・法人化、代表に就任。「かんがえ方のデザイン」を提唱し中小企業のブランド・デザイン振興を支援している。
撮影
Jin-hitomi
インフラ系会社の購買部門で契約業務の他、経理・総務を歴任。日商簿記2級、ビジネス法務2級
パラレルキャリアで人物写真撮影(イベント、スナップ、スタジオ)、西洋占星術、ダンス(ヒップホップ、ロックダンス)など★魂の煌めきを照らす仕事★で元気とパワーを届けている。









