「経営の矛盾を“逆転”する羅針盤~AIと対話するTRIZ思考~」…楽描人カエルンさんをお招きして  -前編 –

<第14回「廣器会」講演会レポート>

開催日時 2025年5月8日(木)18:30~20:00(懇親会 20:00~22:00)

開催場所 (株)コーチビジネス研究所 飯田橋セミナールーム + オンライン

第14回目を迎える「廣器会」は、「楽描人カエルンさん」をお招きしています。
「経営の矛盾を“逆転”する羅針盤~AIと対話するTRIZ思考~」というテーマでの講演です。まずは、プロフィールを紹介させていただきます。

「楽描人カエルン」さんのプロフィール紹介


グラフィックレコーダー/ファシリテーター
「グラファイア・アカデミー」主宰
視覚的コミュニケーションを用いた経営・組織開発を中心に、年間多数の企業研修・講演を展開。
「すべての人にとって絵をかくことを当たり前にする」ことをミッションに掲げ、「グラフィックレコーディング…グラレコ」を実践。
模造紙とマーカーペン、デジタル作画ツールの両方を使い、かなりの分量を短時間でライブドローイングする。似顔絵が多めなのが特徴。絵に対する苦手意識を取り除く。絵のスキルを自ら向上することをお手伝いするのが生きがい。
某企業の研修では半日程度で誰でもそれなりに描ける様になるプログラムをデザイン。継続的にお仕事もいただいている。理論と実践を織り交ぜた講義スタイルが特徴。

カエルンさんは、廣器会の毎回講演を「グラレコ」してくれます

カエルンさんについては、廣器会発足からの中心メンバーで、毎回の1時間半の講演が終わるや否や(カエルンさんは概ねリモート参加です)、「グラレコによる講演レポート(1枚)」を届けてくれます。
そこで、第6回 廣器会「リベラルアーツを経営に役立てる」の「グラレコレポート」を紹介させていただきます。

私は、カエルンさんの「グラレコ」を毎回見ているので、今回の講演は、この「グラレコ」だろう、と思い込んでいたのですが…全く違っていました(笑)。テーマタイトルは「経営の矛盾を“逆転”する羅針盤~AIと対話するTRIZ思考~」であり、「経営・組織開発」ド真ん中の講演です。

主催者である(株)コーチビジネス研究所の中村取締役の挨拶で、講演はスタートしました。

経営者のみなさんが「何かを探求する」というのが「廣器会」です。今回も受身の場ではなく…手元にマジックや付箋があったりしますので、しっかりとワークをやるということですね。私も詳しい内容はわかりません。楽しみにしています。
楽描人カエルンさんは、「グラレコ界の神様」と言われている人です。いろんなところで活躍されています。ご自身で企業研修も積極的に取り組んでらっしゃる。でも本当はSEなんですね。とにかく多才な方です。カエルンさんは廣器会メンバーですが、今回、こうして話していただけるのでとても助かります。
それではカエルンさんにマイクを譲りたいと思います。みなさん盛大な拍手をお願いします。

会場は大きな拍手に包まれます。カエルンさんは少しはにかみつつ、今回の講演の主旨を説明されました。

カエルンと申します。よろしくお願いします。
今日はですね「AIと対話する」という話になっていますけど、「リベレイティング・ストラクチャー」というワークをやってみようと思います。この言葉、聞いたことのある方?

お一人の手が挙がったような…

カエルンさん

なるほど。みなさんは経営に携わっている人ということですから、ワークをしながら、ご自身の経営をイメージしていただければ、と思います。
ところでみなさん、ジレンマ…いっぱいありますよね。今とっても悩んでいるコトがあるとしたら、それを念頭に入れていただきたいなあ、と思います。
あとですね、これ、今日のテーマと言いますか、キーワードですね。ちなみに「許容可能な均衡の探求」と書いてありますけど、これは…どういう意味だと思います?

参加メンバーの脳裏に「?」が点滅しているようです。

ではどなたか…スマホの生成AIに「許容可能な均衡の探求」と質問してみてください。
メッチャ長いのが返ってきます。どういう回答が返ってきたか、発表していただけますか…どなたか?

女性のIさん(男性にもIさんがいますから)が手を挙げます。早い! Iさん曰く、「メッチャクチャ長いですよ」と一言。
Iさんは読み上げます。

Iさん

……このように、さまざまな分野で重要な概念となります。均衡とは一般的にバランスが取れている状態、釣り合っている状態を指します。具体的な意味合いは……

40秒経過したあたり。生成AIが「具体的には……」と繰り返したところで、カエルンさんは「ありがとうございます…」とIさんを止めました。会場大笑い。

この言葉を一言入れると、とんでもない長い説明が始まります。
実を言うと、生成AIたちって、インターネット上にある文書を一旦クローリングして集めて、そこから知識をつくっているんですけれども、インターネット上にある知識…哲学やらみんな入ってますよね。そういうのをまとめて、最終的にどこまで凝縮できるか、っていうのを、頑張ってやってみたんですよ、僕の方で。

私は「クローリング」の意味が分からなかったので、ググってみました。引用します。

クローリングとは、プログラム(クローラー)がWebサイトを巡回し、Webページの情報を収集・取得する技術のことです。検索エンジンやWebサイト運営者が、Web上の情報を収集するために利用します。クローラーは、Webページのリンクをたどり、Webサイト内の情報を収集し、インデックス化します。

カエルンさんの本業はSEですから、ITリテラシーはさすがです! 勉強になります。解説は続きます。

その結果、この言葉に行き着いたんですね。 
何故この言葉を最初に出しているかと言うと、みなさんにこれから「リベレイティング・ストラクチャー」をやっていただきますが、まあそのワークがですね、この言葉をそのまま体現しているものになっているからなんです。
ここまでで、何か質問とかありますか? 大丈夫でしょうか…

ここでパワーポイントの画面が変わります。

カエルンさんのコピーライティングが冴えわたります。ゴールタイトルに引き込まれます。

本日のゴールは「矛盾の突破! Why 実現へ! 一歩を踏み出す!」

カエルンさん

みなさんには釈迦に説法だと思いますが、いまさら言う話でもないんですけど、矛盾と向き合うっていうのは、まさに経営だと思うんですね。そのときに当然、ミッション、理念という話をされると思います。
ここで「新たな秩序」…散逸構造という言葉が急に出ちゃうんですけど、この言葉を聞いたことがありますか?

お一人の手が挙がります。日本エグゼクティブコーチ協会会長のIさん(男性)でした。
カエルンさんも思わず「さすが!」。会場からも拍手!
「もしかすると理系ですか?」と尋ねるカエルンさんにIさんは「頷き」で返します(笑)。

カエルンさん

熱力学の言葉です。複雑系でも使われる言葉ですね。
何を言いたいかというと、先ほど紹介した画面で、「均衡を探求する」という表現がありましたが、ジレンマが起こっている状態でも、この状態をある意味「是」として「その中で上手くやっていくんだ」ということを目的につくっていく、ということなんですね。

さて、ここからがいよいよワークが始まります。リベレイティング・ストラクチャーの手法である「TRIZ」を体験することが組み込まれます。ただ、リベレイティング・ストラクチャーにしても、TRIZにしても、この時点でカエルンさんは、内容の説明に踏み込んではいません。「まず、やってみましょう!」とのスタンスのようです。

画面は切り変わり、まずは「アイスブレイク」…

アイスブレイクのタイトルは「はちゃめ茶会…Mad Tea Party」

カエルンさん

ここからですね、「はちゃめ茶会…Mad Tea Party」という、アイスブレイクなんですけど、みなさんにやってもらおうと思います。
二人組になってください。やっていただくことは、自己紹介のあと質問します。「AIにあなたの仕事を任せるんだったら、なにを任せますか…?」といったことでも、何でもいいです。アイスブレイクですから、1分ずつでお願いします。

カエルンさんは、テンポよく進めます。

カエルンさん

はい、終了です。いかがですか? まずはお互いを知る…大切ですよね。

画面が切り替わり、いよいよメインテーマの「リベレイティング・ストラクチャーとTRIZ」です。ちなみに「TRIZ」はトゥリーズと発音します。

1時間半の講演の最後に、カエルンさんは、この2つのキーワードについて、実に腹落ちできる説明をしてくれました。すぐにでも紹介したいところですが、今回の「ワークを体験」したことで参加者も実感することができたと想像します。廣器会メンバーは経営者です。そして「廣器会」は「能動会」です。疑問を感じたら、躊躇することなく質問をぶつけ、その場で解き明かすことを皆が共有しています。後半のワークは、まさにそのように展開しました。

カエルンさん

今日はですね、システマチックにやっていこうと思います。
「AIを導入しちゃったんだけど、最悪の導入になってしまった」というストーリーを設定します。そのダメな内容を書いていただきます。まずは個人で。付箋紙をたくさん用意していますから、一人5枚くらい「最悪になってしまったケース」のキーワードを記入してください。はい、よろしくお願いします。

(数分経過…)

カエルンさん

はい、終了です。2つ以上あればいいですよ。みなさんが書いた付箋紙をテーブルの中央に集めてください。

カエルンさん

次はペアになっていただきます。さまざま書かれた付箋のキーワードに目星をつけていただき、「自分で既にやっちゃってる失敗」なんかいいですね。まだAIに取り組んでいないという場合もあると思うので、「やっちゃいそうだな…」というのもOKです(笑)。それを選んでみてください。その内容について、情報交換してください。はい、スタート!

20分間、ペアでさまざまな対話が行われます。レポーターの特権で、いくつかのペアに近づき、聴き耳を立てて「傾聴」しました。いずれもが「なるほどの対話」です。勉強になります。

カエルンさんの進行はリズミカルです。ここで事前にいただいている1時間半の流れを紹介しておきましょう。本来はもう少し時間をかけての講演のようですが、廣器会メンバー(経営者は気が短い?)に対応してくれているようです(笑)。

– 後編へつづく –

***

次回廣器会は・・・

みんなで考えよう「強い組織をつくる経営者のあり方」
-廣器会#26-

中村智昭

■プロフィール

中村智昭(なかむらともあき/トモさん)

廣器会代表

株式会社コーチビジネス研究所取締役

アパレル企業 1.5年
イオングループ企業 33年(役員で退任)
人事部長のときにコーチングに出会い
組織へ導入して風土改革、リーダー育成を推進

■会合の内容

本会では、これらの問いに対して
“答え”をお伝えすることはありません。
また、何か特定の情報や答えを示す会でもありません。

むしろ、答えが簡単に出ないテーマだからこそ、
経営者同士の対話を通じて、自らの考えを深めていく場です。

売上や成果といった表面的な「強さ」ではなく、
組織の本質的な強さとは何か。
そして、それを生み出す経営者の在り方とは何か。

他者との対話の中で揺さぶられ、
自分の中にある前提や思い込みに気づき、
新たな視点を持ち帰っていただきます。

知識やノウハウを学ぶ場ではなく、
“問いを持ち帰る場”です。

■プログラム(予定)

  • 本日の目的共有
  • 強い組織とは何か(個人内省)
  • グループ対話①(強い組織の定義)
  • 全体共有(定義の違い・ズレの可視化)
  • 深める問い(強さの本質を問い直す)
  • グループ対話②(組織はなぜ生まれるのか)
  • 経営者のあり方への接続
  • 自分自身への問い(これからどう在るか)
  • クロージング(持ち帰り)

※上記プログラムは変更となる場合がございます。

Information

■ご参加にあたって(重要)

本会は対話を中心に進行します。
オンライン参加の方は、以下の点にご協力をお願いいたします。

・耳だけ参加はご遠慮ください
・必ずカメラをオンにしてご参加ください
・ワークを行うため、パソコンからご参加ください

■開催日時
2026年5月14日(木)18:30-20:00

■開催方法
リアル会場開催&オンライン同時開催

■会場
株式会社コーチビジネス研究所
東京都千代田区富士見1-3-11 富士見デュープレックスビズ702号室

■参加費 無料

※ 学びの会合終了後の懇親会を開催予定です。
懇親会は、3500円~4000円の参加費となります。

■お申込み
こちらのPeatixよりお願いします。

第26回学びの会合 (経営者のための廣器会)

https://peatix.com/event/4967960

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レポーター紹介

坂本 樹志

株式会社コーチビジネス研究所 顧問 CBL認定コーチ 中小企業診断士
広島県出身。大学卒業後、大手化粧品会社に入社。財務、商品企画開発、販売会社代表取締役、新規事業開発、中国上海・北京駐在、独資2社設立し総経理等を歴任。その後CBL認定コーチとなり、エグゼクティブコーチとして活動開始。『カウンセリング&コーチング クイックマスター(同友館)』『格闘するコーチング(かんき出版)』など著書・執筆多数

WEB構成

水野 昌彦

アイデアルブランズLLC 代表 ブランド・デザイナー 中小企業アドバイザー
美大卒業後プリンター・電子機器メーカー、独立デザイン事務所を経て自動車メーカーデザイン部でカーデザインに従事、エンブレムデザイン全般担当を契機としてブランディングに深く関与。ブランド体系構築をリーディング。2021年独立・法人化、代表に就任。「かんがえ方のデザイン」を提唱し中小企業のブランド・デザイン振興を支援している。

撮影

Jin-hitomi

インフラ系会社の購買部門で契約業務の他、経理・総務を歴任。日商簿記2級、ビジネス法務2級
パラレルキャリアで人物写真撮影(イベント、スナップ、スタジオ)、西洋占星術、ダンス(ヒップホップ、ロックダンス)など★魂の煌めきを照らす仕事★で元気とパワーを届けている。

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- 了 -
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